スリムな賃貸
外資系のコンサルタント等に聞くと、収益価格を重視しゴルフ会員権発行余力が十分に残っているものについては、場合によっては収益価格にこれを加算した価格をもって検討するというのが一般的なようである。
特に集金性を重視する外資系企業の場合、会員権発行余力と市場消化能力が十分にある場合限り、「会員権価格×発行余力の一部」を加算するところもある。
なお、還元利回りについてはゴルフ場のエリアや集客状況、グレード等に左右されるが、おおむね12〜15%程度を採用しているところが多いようである。
収益価格をとらえる上で重要な収支の再検討では、収益価格を重視する場合、現状のオペレーションによる収支をそのまま採用することは妥当であろうか。
一度その点を検証する必要がある。
一部のコースでは放漫な経営が行われた結果、営業利益が極端に少ないもの、赤字といったものが見受けられる。
したがってこの再検討が非常に重要な役割を持ってくる。
あるプロパティマネジャーに聞くところによると、ゴルフ場の収支想定は比較的容易だという。
決め手は人件費で、ゴルフ場の運営は7名の社員がいれば十分に成り立つという。
支配人、営業マン、経理、そして忘れてならないのがグリーンキーパーである。
また、岐阜県のゴルフ場ではキャディーを能力給型にして非常に評判(サービス向上)が良いというところもある。
以上から評価手法は以下のようになる。
基本方針。
収益還元法をベースにする。
ゴルフ会員権発行余力を参考とする。
参考までに原価法による価格を求める。
収益還元による価値本ゴルフ場が生み出すであろう収益を査定し、これを前提に求める。
a、想定売上高過去の売上高と現状の営業努力、周辺ゴルフ場の客単価、集客の状況等を考慮して将来予測を踏まえ333、330、000円と査定した。
<平日>客単価:13、000円×50人×249日=161、850、000円く休日>客単価:18、000円×85人×116日=177、480、000円合計339、330、000円b・想定費用ゴルフ場に詳しいプロパティマネージャーに聞いたところ、現時点では社員20名を雇っており、人件費に多大なコストがかかっているとの見解をうけた。
この部分を10名以下に抑えることで相当の費用削減がなされ、人件費・固定資産税、都市計画税といった公租公課・グリーン管理費・雑費等の合計が2億8、000万円にまで削減できると試算した。
c、純収益(想定営業利益)以上より、想定売上高339、330、000円から想定費用280、000、000円を控除し、59、330、000円の営業利益が見込めることが判明した。
収益還元利回りは地域性、ゴルフ場の持つリスクを考慮し、12%とし以下の通り収益還元価格を求めた。
純収益59、330、000円÷還元利回り12%=収益価格494、000、000円(預託金考慮前の価格)ゴルフ会員権発行余力次にゴルフ場の会員権発行余力を考えてみる。
現時点での会員権価格相場:3、000千円前後市況の状況:一部に底入れ感はあるものの低迷中である。
発行余力:現会員数は600名で、18ホールのゴルフ場としては少ない。
本来であれば1、200名程度まで募集は可能だが、市況が悪いことからあと200名程度が限界と考えられる。
以上から、今後やや市場価格が落ちることを懸念し追加募集会員価格を2、700千円とし、募集人員を200名と考えると、ゴルフ会員権発行余力を以下の通りとした。
(追加募集会員価格)2、700千円×200名=540、000、000円参考:原価法による価格次に参考までに、同一レベルのゴルフ場を新たに建設することを前提として、必要となるコストを予測しその額を積算して積算価格を求める。
a、素地価格周辺の山林の売買事例を参考に1uあたり900円と査定した。
900円/u×770、000、2=693、000、000円b、コース造成費ゴルフ場の品等、造成の難易・設計などを考慮し、1ホールあたり180、000、000円と考え、18ホールで3、240、000、000円と査定した。
c・クラブハウス建築費当初建築費:5、000、000、000円(666千円/u)現時点での再調達原価:300千円/u×7、500、2=2、250、000、000円、現価率を60%と考えると、2、250、000、000円×60%=1、350、000、000円となる。
d・その他諸経費権利調整、会員権販売等に10億円程度要すると考えられる。
合計素地価格:693、000、000円コース造成費:3、240、000、000円クラブハウス:1、350、000、000円諸経費合計:1、000、000、000円合計6、283、000、000円まとめ以上より、収益価格:494、000、000円*発行余力:540、000、000円(参考;積算価格:6、283、000、000円)参考に求めた積算価格は60億を超え、収益価格の15倍近くになった。
最終的な結論は、最も保守的に考えると収益価格ベースにとどまるが、発行余力をある程度加算して考えることも投資家によってはありうる。
回市街化調整区域の物件次に、市街化調整区域の物件の評価について考えてみよう。
市街化調整区域に属する土地は、建物の建築、開発行為に関して、市街化区域内に比べ大きく制限されている。
しかし、制限は大きい中で、一部に例外的な措置がありこれに該当すると利用可能性が高くなる。
したがって、市街化調整区域内の物件の評価にあたってはこの点を十分に調査する必要がある。
なお、近々に改正都市計画法の施行が行われ、旧法での既存宅地の取扱いが変更となるので十分な注意が必要である。
線引き制度と都市計画法の改正市街化調整区域は都市計画法で市街化を抑制する目的で指定される地域で、建物建築や開発行為に大幅な制限がかかる地域である。
都市計画区域と線引きの関係を整理する。
市街化調整区域では新たな建物の建築、改廃、用途変更といったことは原則できない。
例外としてたとえば次のa〜eのような場合でこれらについては許可を受けなくてもできる。
a・農林漁業用建築物、b・駅舎・医療施設・学校等公益上必要なもの、c・いわゆる「既存宅地」に該当するもの(改正法では廃止、一部に経過措置あり)、d・開発許可取得物件、e・開発許可の必要のない場合に該当するもの園都市計画と線引きの関係。
いろんな賃貸の専門家の指南をうけてみましょう。賃貸がもっと楽しくなります。
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